インドで建築を見るためのガイドブック決定版

インドで建築を見るためのガイドブック決定版

*この項目は、インド建築について書いています。ル・コルビュジエに関しては下記ページでご紹介しています。

デザインと人間の生活の究極の親和形である建築は、その国の文化と歴史を知る最良の道しるべです。インドの建築は、国と同様、多様性も突出しています。

大まかな分類3つと、参考書籍「インド建築案内」を紹介します。

1.ムガール帝国時代のイスラム建築

タージマハルを始め、北インドの代表的世界遺産は、16世紀前半から300年余り続いたイスラム帝国ムガール朝時代に作られています。歴代皇帝達が自らの栄光を世に知らしめるために建造した数々の砦や霊廟などは、ヒンズーとは違う独自の美意識が感じられます。

2.マハラジャの宮殿や貴族の邸宅

イスラムが入ってくる以前から、地元に勢力を築いていたヒンズー教の領主たち。マハラジャと呼ばれるこうした貴族の邸宅は、ハヴェリと呼ばれ、広大な敷地に大きな庭園を持ち、何十という部屋を持った住居が多く見られます。

大小のマハラジャが勢力を競ったラジャスタン州では、聳え立つような居城から、スモールサイズのハヴェリ(といっても一般人の感覚では十分な大邸宅ですが)まで、財力に応じて様々なお屋敷があります。

維持するために莫大な経費がかかるため、ホテルに改装して営業しているところも増えています。料金も規模に応じてピンキリです。エキゾチックなハヴェリを泊まり歩いて、内部から鑑賞するのも、インドならではの楽しみ方です。

3.寺院などの宗教建築

宗教なくしては成り立たないインド社会において、寺院はすべての人にとって神聖で大切な場所です。多くの宗教が混在するインドでは、それぞれの宗教が、様式の異なる、美しい寺院を建てています。

北インドでは、ヒンズー教のマンディール、イスラム教のモスク、シーク教のグルドゥワラ、などがメジャーです。仏教聖地があるビハールなどには、仏教寺院も多く点在しています。

南インドでは上記に加えて、ミナレットと呼ばれる高い塔を擁したドラヴィダ文化の寺院、ケララ州やゴアなどキリスト教徒が多い地域では、教会や大聖堂があります。

●おすすめ書籍

「インド建築案内」

インドの建築案内決定版といえばこれ!分厚い本で、持ち歩き用ではありませんが、かなり詳細にまとめられており、読み応えも十二分。写真も豊富で、内部の見取図まで掲載され、これ一冊あれば、インド建築についてはすべてカバーできます。