鉄血宰相が非業の死を遂げた場所
イギリスから独立した新生インドの初代首相はネルー。彼には息子がなく、ひとり娘、インディラ・ガンジーが後を継いで政治家となり、インド初の女性首相になりました。男尊女卑の激しいインドで3度に渡って首相を務め、独裁者とも言われたインド版鉄の女。第二次大戦後のインドを近代化することに命を懸けた政治家でもありましたが、暗殺により非業の死を遂げます。
何しろ、首都の国際空港の名前になるくらいですから、この国を知る上では欠かせない、最重要人物のひとりだと言えますね。
ちなみに、ガンジーというのはご主人の姓で、インド独立の父マハトマ・ガンジーとの血縁関係はありませんが、子供のころからネルーの娘として、ガンジーにも可愛いがられていました。
1984年、3期目の首相だった時、彼女は自宅の庭で射殺され命を落とします。その屋敷を博物館として一般公開したのが、このインディラ・ガンジー記念博物館です。
通常のツアーで行く観光地ではありませんが、歴史好きには絶対おすすめ。
膨大な写真や手紙、遺品の展示により、当時の様子がよくわかる大変興味深い場所です。各国首脳や王室との交流、マハトマ・ガンジーとの交流の写真など、貴重な資料が多数公開されています。
書斎など一部の部屋は公開され、ガラス越しに見ることができます。
本人の生前の映像も見られるのですが、すべてヒンディー語で英語字幕がないのが残念。
暗殺された現場が、囲いの中のクリスタルでカバーされたところ。状況を勝手に想像してしまうと、何もないのに生々しく感じます。
今日の経済発展など夢のまた夢だった、終戦直後の極貧のインド。時代の重々しい流れを感じずにはいられない場所です。大勢のインド人で盛況でしたが、騒ぐ人もなく、皆静かに展示品に見入っているのが印象的でした。
入場料無料というのもすごい。国民に広く歴史を知ってほしいということなんでしょうね。インディラ関連の本などを扱った、小さなショップもあります。
インディラ・ガンジー・記念博物館
Indira Gandhi Memorial Museum
https://www.museumsofindia.org/museum/353/indira-gandhi-memorial-museum